男の作法
池波正太郎
1981
読書読書〜。
都市部のいいトコは
素敵な出会いの数に恵まれているトコロ。その出会いとは人だったりモノだったり…。
地方ではこの出会いの数は少なくなると思う。
モノや人が溢れかえってる都市部より出会いは少ないのは必然だろう。
けど、そんな地方で
例えば良い本を見つけて読み耽る事ができた時。
本の真意と自分の心の奥底が共鳴する本と出会えたならば。
何回でも繰り返し読めるのならば。
それは出会いの数なんか目じゃない位、その本からパワーを頂けてる証ではと思います。
その出会いが人でなくても関係ない!
たくさん読めばいい訳ではない。
たくさん出会えればいいわけではない。
住んでる場所も関係ない。
そう感じれるくらい、この本は読んでてホッとするし
私は良書と感じてます。文章も優しくて、丁寧。
こんな若造でも楽しく読めました。
妙齢のセンスの良い近所の昔から仲の良いおじさまの
家に招かれて奥さんの揚げる天ぷらに舌鼓をうちながら
日本酒ヌル燗をチビチビとやってダベッてる感じといいますか…笑
話しててホッとするんだけど、要所要所で人生とは何ぞやと
刺さる素敵なフレーズに出くわす感じ。
日本人でよかったと感じる一冊。
この本では男はかくあるべきと
池波先生が理屈を抜きにして語っております。
時代を超えて、住むエリアを超えて
池波先生のセンスの良さが香ってくるのが大好きです。
"やはり、顔というものは変わりますよ。だいたい若いうちからいい顔というものはない。…いまのような時代では、よほど積極的に自分をみがかないと、みんな同じ顔になっちゃうね"(p.22)
"万年筆だけは、いくら高級なものを持っていてもいい"(p.91)
"遊ぶことは結構だよ、だけど、同じ遊びにしても、もっとほかにあるでしょう。自分の何か得るところがある遊びが。だから、パチンコが好きで、麻雀が好きで、三年間麻雀とパチンコばかりやっていた人と、…映画狂の若者と、三年たったら全然違いますよ。映画だけでも麻雀やってる人よりもいい。"(p.96)
”ディスコで踊り狂って、女の子を公園に引っぱりこむとか、そんなことばかりしないで、その余剰時間とエネルギーをほかのものに振り向けていかないとね。”(p.119)
などなど。
折に触れ、読み返したいフレーズばかり。文章も優しい。
本のイイトコは
都市だろうが地方だろうがどこにいても読めるとこ。
また作家さんの主張に肉薄できる。
作家さんが長い事時間をかけて執筆する記事だもの。
こんな薄弱なブログとは訳が違う。
ネットだと全国どこでも閲覧ができても
この本みたく作家さんの匂いを感じ取る事は難しい。
こういうエッセイは好きですね、私。
読みやすい。いいですね!
小難しい本、エッセイ、小難しい本、エッセイ…
と読書してこうかな。
エッセイは気楽に読めて楽しいよ。
さて次の本へ…。