2014年3月21日金曜日

地下室の記録



新訳 地下室の記録
ドストエフスキー
亀山 郁男 訳
2013 (1864)

夏目漱石の"それから"と通ずるものがある
ダメ男をテーマにしたエグい小説ですね。
素晴らしい。。笑

100年前の、しかも海を越えた
ロシアでもこういうダメ男を描いた文学があったって考えると
ホッとします。。

主人公は低賃金で働く、40歳の地下室人=ダメ男。
読者に語りかける手記です。
(地下室とは、メンタル的な意味での。)
どこら辺が"地下室"かというと…

○自己反芻の鬼であるという事。
自分へのダメ出しが尋常で無い。
ダメ出しの挙げ句の果てに快楽を見つけるという始末。笑
自分ダメ出しに熱を入れるあまり、外界から隔離された地下室に入り込み自己反芻と書の世界に埋没してる様を地下室に例えたそうな。

ただ自分が地下室人である事を作者は認識してる。
しててもそれを直す気は無いのだと強気。
なぜならこれとは真逆の自己を顧みず、ひたすら自分の利益めがけて邁進する直情径行型の人間はセンス無い。例えお金が稼げても、幸せになれても俺はそうはなりたくないとコメント。
カッコイイよ、ドストエフスキー。

また自分へのダメ出しを止めない理由を
以下の通り考察してる。

"自分たちが築きつつある建物が完成するのを本能的に恐れているからでは無いか"(p.59)
"人間が愛しているのは、幸せな暮らしだけではないかもしれない"(p.60)

とてもユニークです。ロックンロールですね。退廃的。
今生まれ変わったらドストエフスキーはロックスターだったかもしれません。




”「地下室」とは、言い換えるなら、青春時代を生きるだれもが一度はくぐりぬけなくてはならない"戦場"である…”(帯より)

この地下室の暗さは誰しもが経験してるはず。
秀逸な帯のコピーでした!