2013年5月11日土曜日

暗夜行路



志賀直哉
暗夜行路
1921〜1937

よく読む雑誌や本の中(↓)で
志賀直哉の記事を目にする事が多く、
ならばと思い読んでおります。


”ちょっと前の小説家というと、わりと破天荒なイメージがありますが、志賀直哉は『ア暗夜行路』などの私小説で見える顔だけではなくて、こんな風に日々をすごしていたんだー、という発見があります。”
BLOG FOR CITY BOY
第10回  B&B 寺島さやかさんより
(Book&Beerという素敵なお店!近い内に伺いますよ。)


"志賀直哉は美術にとても明るいし、歴史や文化にもとても
 詳しい。さらに、とてもセンスのいい暮らしをしていた人です。"
                 松浦弥太郎 センス入門(筑摩書房)より





文章のテンポが良い。
主人公謙作の心境描写が秀逸です。


"祖父と母との過失の結果、この世に生を享けた謙作は〜"
と本の紹介文にはあります。

それが為だけでは無いのですが、
鬱々とした日々をこなす、あるいは消化する謙作の心境と
変化に乏しい生活環境の対比が良いです。


とは言え、ただの鬱々の描写だけでは無く
謙作の"だから何さ!生まれなんか関係ないぜ!"
という都度都度の前向きな描写の挿し込みがいい。

ここが本著の読みやすさたる所以だと思います。
この挿し込みのタイミングやら文章量が丁度いい。

ここが、上記のセンスの良さってトコでしょうか。
好きです。この文章のバランス。
重さと軽さ。
気づいたら手にとって読みたくなります。


鬱々とした異物感を内に抱えながらも、
日々を全うしようとする謙作。


もう少し読み進めていきたいと思います。
謙作はどうなっていくのか!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ところで、上で書いた"異物感"は日常でも大事だと思う。
自分の内にある謙作が抱えてる様な"異物感"、
あるいは外にある"異物"。


自分の得意ジャンル外にある"異物"。
一回触れてみたけど"?"ってなるやつ。
けど何か気になる…
そしてまた触れてみる。あれ?いいかも?
そして繰り返し触れてみて好きになったり!

"異物"に触れる事で自分のキャパがグワッと拡がる感覚は
とてもイイです!


"異物"と自身の"異物感"がリンクするとでも言うべきか。
安心してしまう。。



特にレコードではそんな出会いの連続で毎日がムフh(ry

そういう"異物感"を覚えるモノに最近は投資したい気分。


今までは音楽や服の事で、得意なジャンルしかブログに
書いておりませんでしたが

不得意な"異物感"満載の本のレビューも書いていければと
思っております。